Book Review:エーンリッヒ・フロム「愛するということ」―愛され女子はもう目指さない!

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皆さんこんにちは、Kyokoです。

おもしろ~~い本と出会ってしまったので、久々にブックレビューを。

ドイツの社会心理学・精神分析・哲学の研究者エーンリッヒ・フロム(1900-1980年)著、「愛するということ」。
このブログ初の、ファッション本以外のレビューです。


愛するということ

お題はそう、  について。
どうしたら本当に人を愛し幸せになれるか、という話です。

あ、ページを閉じないで(笑)!
たしかに小難しそうだけど、現代を生きる人々へのヒントが詰まった本なんです!

なぜなら、愛に関して多くの人が抱きがちな誤解をズバズバ切ってくれ、代わりに新しい発見ができるから。

ということで今回はブックレビューと称しつつ、フロムおじさん(以下、この呼び方です)が指摘する、
愛に関する誤解をご紹介していきたいと思います!

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愛に関するありがちな誤解

①愛は感情ではなく、技術

♪ I cant’t help falling love with you~♬
愛せずにはいられない、って言いますよね。
愛は感情であり、ある日荒波のように押し寄せ、あなたを飲み込む‥‥のではない。

これが愛に関する一つ目の誤解。

フロムおじさんに言わせれば、愛は技術なんだそうです。
技術!料理やプログラミングと同じく、身に着けることができる技術!

つまり、愛を経験できるかどうかは、運命の相手に巡り合えるかというような運の問題ではなく、
自分がどれくらい習得できるかどうかという努力の問題
だと。

ほほーう( ゚Д゚)

愛の技術の習得方法は他の技術とそう変わりません。
つまり、まずは理論を学び、数多く実践を積む。おわり。シンプル~~~。

実際、この本の原題は「The Art of Loving(愛することの技術)」と言います。
愛という技術に関しての理論と、その習得方法について書かれているわけですね。

②愛は受動ではなく、能動

愛される、モテる、ウケる。

恋愛に関して書かれたテクニック本に掛かれているのは、いつも「○○される」という言葉

愛を経験するには、相手から好かれなければならない。
そのために、見た目を磨き、気の利いた会話や魅力的なふるまいを覚える。
男性ならばお金持ちになって、わかりやすく社会的ステータスを上げようとするかもしれません。
それこそ、バチェラーやバチェロッテではないですが、大勢の人間の中から「この人だ!」と選んでもらうために。

でも実はこれが、フロムおじさんが指摘する愛に関する二つ目の誤解。

人々はどうやったら愛されるかばかりを考え、どうすればよりよく愛せるかについては考えない
なぜなら、愛すること自体は簡単であり学ぶことなどないと思っているから。

1つ目の誤解にある通り、まさか愛が技術なんて思っていないですからね~。
誰かを好きになって色々あって別れたとしても、また出会いがあれば愛が始まると思っているのです。

でも愛が習得できる技術だとすれば、愛を経験することは受動ではなく能動のこととなるんです。

③愛は取るに足らないのではなく、一番大事

フロムおじさんが指摘する、愛に関する最大の誤解。

それは、人々が愛は取るに足らないものだと思っていること。
なぜなら愛を経験しても、心しか潤わないから。
心だけが潤っても生きてはいけない、お金や名誉の方がよっぽど現実的に役に立つし大事だと思っている、とな。

こういわれると、「う~んそうかなぁ?」と思う人もいると思います。
お金がた~~~~~くさんあって、素敵な家に住んで、キレイな洋服を着て、おいしいものを食べてても、1人ではさみしい気がする、って。

私もそう思います。
豪華すぎるほどの家や洋服や食事はいらないから、友人でも恋人でも家族でも一緒に楽しむ相手が欲しい。
(食べるものや住むところがないのは困るけど!)

こう思えるのはきっと、これまでの人生のどこかで愛を経験したからですよね。
愛がある状態を知っているから、愛がない(足りない)とさみしさを感じる

でも、お金と商品・サービスを交換し、価値を消費することで成り立っているこの資本主義社会。
ついついわかりやすい価値に流されて、目に見えない愛の大事さは後回しになるのかも。

愛を受動の問題と考えてしまう誤解も、私たちがこの交換の仕組みに慣れ過ぎていることが原因のひとつだと、フロムおじさんは指摘しています。

現代でも、恋愛市場、婚活マーケット、なんて言ったりしますよね。
あたかも私たち一人ひとりのことを、スペックをパッケージ化した商品にみたてたような言葉だと思います。

フロムおじさんはこうも語っています。
愛することの技術を身に着けたければ、理論を学び実践を積めばいい。
だけど、そこで絶対に欠けたらならないものがある。

それは、この技術を獲得することが自分にとって一番大事と認識することだそう。

All you need is love~
All you need is love~
All you need is love, love
Love is all you need

はい、ビートルズも同じことを4回も歌っているわけです(笑)

愛する技術を習得するには

読むだけでは身につかない

これまで述べた愛についての誤解は、実は本の第一章で終わります。
第二章は「愛の理論」、第三章は「愛と現代西洋社会におけるその崩壊」、そして第四章は「愛の習練」と続きます。

個人的には第一章が一番興味深い内容で、
第二章は眠くなるほど長~く、
第三章は1960年ごろの”現代”西洋社会と2021年との共通点にうなり、
第四章は耳に痛く精神をえぐられる(笑)、という感じでした。

多くのテキストと同様、分量的には理論はたっぷり、実践はあっさり。
当然ながら読むだけでは身につかない!

でも読まないと理論すら正確にわからないので、気になる方にはぜひ読んでいただきたいです(*^▽^*)


愛するということ

どうすればいいのか、私なりの解釈

フロムおじさんに言わせると、人を愛することは自ら踏み込んでいくような能動的な行為であり、いってみれば与えること
でも誰かの犠牲になったり、諦めたりすることはまた違う

私という人間が自分の意思で、自分の持っている力を表現する生産的な行為、だそう。
だんだん小難しいですが、要するに、

自分が好きなこと、喜びを感じること、面白いと思うことを、まずはそれを求めている誰かに対して気前よく与えてあげるで、そうやって与えることができる自分の力とか豊かさを実感して喜ぶ

という、一種の自給自足状態みたいなものなのかな~と勝手に解釈しています。

例えばね、
「あ~退屈、なんか面白いことない?」って不満顔で言っている人よりも、
「今日はこんな面白いことがあってね!」って目を輝かせている人の方が、
人間として魅力的じゃないですか。

常にだれかと一緒にいなくても、恋人やパートナーに構ってもらえなくても、自分で何か見つけて楽しんでいる勝手にゴキゲン。
そしてこちらが求めていれば、気前よく楽しみをシェアして(与えて)くれる。

もちろん自給自足だから、この与える行為は、相手から何かをもらいたいからやっているわけではない。
でもこんな人と一緒にいれば、相手に必ず変化が生まれて、最終的には相手も自給自足型に変えていくものなんですって。

いや、可愛いかw

自給自足型の人間が一緒にいるから、依存しあうこともない。
なるべく少ない投資で相手からより良いものを引き出そうという駆け引きも、相手がくれた分しか返さないぞ~という取引もない。
ただ、お互いの存在をこころよく思い、人生を一緒に楽しんでいる。

それが能動的に愛しているという状態なのかな~と思います。

まずは自分を好きになるところから

そんな自給自足型人間(?)を目指すのに、絶対に欠かせないのは自己肯定感!
だって、ありのままの自分のことが好きで信頼できていなきゃ、誰かになにか与えるなんてしんどくてやってられないもの(´ρ`)

でね、自分を好きになるには自分が喜びを感じるものを知るのが本当に大事だと思う。

仕事でも遊びでも、私という人間は何をしている時が一番心がときめいたり、安らいだり、幸せを感じるのか
毎日の生活の中で、自分の中の「いいね!」を探すんです。それこそトレーニングをしている気分で(笑)
SNSで人から「いいね!」をもらうのを待つんじゃなくて、自分が軸となって探すの。

(もちろん見つけた好きなものをSNSに挙げるのもすごくいいと思います!あくまでも「いいね!」待ちではなく、記録の目的でね(^^) インスタを見ていても、無理せず人気者になっている人はこういう使い方をしているのかな~って思います)

ファッションも同じ。

トレンドや男ウケも気になるかもしれませんが、
それよりも、自分が着ていてときめくか、心地良いかのほうがず~~っと大事!
大人としてのTPOさえわきまえていれば、自分の好きで固めちゃってもいいと思う。

骨格診断やパーソナルカラーのようなファッション理論も、そう。
あなたの心と体が主役なのだから、その主役を引き立てるためのヒントとして使って欲しいのです。

(こういうブログを運営する者としても、気を付けて情報発信しなければならないなと思います!(; ・`д・´))

とにもかくにも、人生で愛を経験したいなら

「愛され待ち」女子は卒業して、「自ら愛する」女性を目指しましょう!!!
と、声を大にして言いたい。
そうすれば、自給自足型人間への第一歩を踏み出せるから。
(そしてようやくタイトルを回収しました💦長かった)

このブログでも、私がいいなと思ったもの、自己満的なこだわりをつらつら書き連ねていますが、
自分の好きを体系立てていったり、骨格診断などの理論と結び付けていくことが、
同じような悩みを持つどなたかの役に立つといいな~と勝手に思っています(*^▽^*)

まずは自ら愛し、与える女性になるぞっ♪

***

最後に、自己肯定感について知りたい方にはこの本がおすすめです。
自己肯定感を高めたり、安定させたりするにはどうすればいいか。
メカニズムと実践的なハウツーが網羅的に書かれています。
きっとどれか一つは生活にすぐ取り入れられるはず!


何があっても「大丈夫。」と思えるようになる自己肯定感の教科書

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
慣れないブックレビューで読みにくいところもあったかと思いますが、何か参考になるところがあれば幸いです。

ではでは

Kyoko

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