Book Review「より少ない生き方 ものを手放して豊かになる」ー最高のミニマリズム入門書

スポンサーリンク
スポンサーリンク

この本のポイントと共感した点

前置きが長くなりましたが、この本のポイントを私が共感したことともにご紹介します。

ミニマリズムはモノを捨てることではない

この本を「最高のミニマリズム入門書」と紹介するわけは、ミニマリズムの定義がすごくわかりやすいこと。そしてミニマリズムに関する誤解を解いてくれていることです。

まず著者はミニマリズムの定義を以下のように語っています。

ミニマリズムとはいちばん大切にしているものを最優先にして、その障害になるものはすべて排除すること。
ミニマリズムのいいところはものが減ることではない。本当の利点は豊かさが増えることだ。

また、ミニマリズムに対するよくある誤解に以下のように答えています。

  • 誤解1:ミニマリズムとはすべてを捨てることである
    ⇒正しくは、一番たいせつにしていることに集中できるように、少ないもので暮らすこと。「少ない」と「まったくない」は同じではない
  • 誤解2:ミニマリズムとは整理整頓のことである
    ⇒整理整頓は大切だが、「もっと欲しい」とおもう欲望や、借金といった問題を解決できないし、人生を変えるようなことはない

正直なところ、私も誤解していました。テレビなどで見かけるミニマリストたちは「最低限のもので生活するやり込みゲームに喜びを見出している変態さん」的に見えていたので…(失礼)

しかし、本当は捨てることは目的ではなく手段

著者曰く、ものが多いと、本当にたいせつにしていることに集中できない。買ったり、管理したりすることに多くのお金・時間・エネルギーを費やしてしまうから。そして先進国で暮らす人の98%はものを持ちすぎているから、不要なものを捨てるステップが必要

逆に言えば、本当にたいせつにしていることを邪魔しないもの(=自分に必要なもの)は捨てなくていいし、買ってもいい。つまりは自分にとっての十分を知ることが大事。そうして少ないもので暮らすと、もっとほしいという欲望から自由になり、本当に豊かな人生を歩むことができる。

なるほど。「足るを知る者は富む」ってことですね。しかし、「本当に豊かな人生」って何だろう…。

「あなたの宝あるところに、あなたの心がある」

ガラクタか、息子か

私にとって、「本当に豊かな人生」のヒントとなったのは、著者がミニマリズムに目覚めたきっかけでした。

著者が自宅のガレージを掃除していた時のこと。中にあるもの(何台もの自転車、ホース、掃除道具、季節外のおもちゃ等)を全部出して、ほこりを払いホースで水をまき、またもとに戻す。そんな作業のなか、5歳の息子が「パパ、遊ぼう」と声をかけてきたのに、ものの整理のために遊んであげられない。諦めて一人であそぶ息子と山積みになったガラクタ(既にガラクタに見えている!)…そのとき、お隣さんから聞いた「こんなにものはいらない」というフレーズ。

著者は、自分の不満の原因に気づき始めます。
所有物は幸せを運んできてくれない。それどころか、むしろ自分を幸せから遠ざけている、ということに。山積みのガラクタのせいで時間を取られ、最愛の息子と遊んであげられないのだから!

ランドリーラックか、娘か

この話、身につまされまくりました(^^;)というのも、私も同じようなことをしていたからです。

引っ越し後、脱衣所や洗面台に収納が少なく、タオルや化粧品や洗面用具や掃除道具が散乱していたのです。これは問題とばかりにスマホでランドリーラックをチェックする私。収納グッズならニトリかDinosか、いや楽天やアマゾンのほうがポイントも貯まるしいいか…

すると、娘が「ギャー」と泣き出す。授乳時間でもないのに中断されてイライラ、なだめながらまだスマホを見る、なかなか寝付かない娘、募るイライラ・疲れ…

そう、多すぎるタオルや洗面用具や化粧品に悩み、ランドリーラックがいるに違いないと頭がいっぱいになり、最愛の娘を疎ましく感じてしまってたんですね…( ;∀;)

親子三人で暮らすために、娘との時間をゆっくり持つために引っ越したというのに、それが私にとっての「本当の豊かさ」だと思っているのに、本末転倒です。

風呂上りの娘。「なんでもいいから早くおっぱい頂戴!」という顔(笑)

間違った宝にあなたの心をとどめてはいけない

著者は牧師のため、本書にはイエス・キリストの言葉がたびたび出てきます。私が一番感銘をうけたのは、「あなたの宝のあるところに、あなたの心もある」という言葉。
まず宝があってそこに心が行くのであって、その逆ではない。しかし残念なことに、物質的な豊かさにどっぷり浸かっているため、多くの人が間違った宝に自分の心をとどめてしまっている…。

わたしはよく、「あなたはパパとママのたからものだよ」と娘に声をかけていたのですが、そのたからものよりランドリーラックを優先していたなんて…とショックを受けました( ;∀;)

ランドリーラックはいったん注文して届いたのですが、この本を読んだ後、開けて組み立てる気にもならず、返品してしまいました。
代わりに多すぎるタオルや化粧品や洗面用具や掃除用具を、今ある収納に収まるだけに断捨離して、洗面所にモノが多すぎる問題は解決!新たなお金を使うこともなく、想像以上にスッキリ。

そして何より、自分の心をとどめるべき宝(=一番大切にしているもの)のために、自分がどうすればいいのかがハッキリわかったのです。

コメント

  1. […] […]

  2. […] […]